国内線航空券の値段はどう決まるの?
当社の電話でのお問い合わせで一番多いのが、国内線の航空券の値段についてです。
航空会社、購入時期、便変更の有無など、条件によって値段は変わってきます。
航空券の価格は大きく分けて、路線ごとに決められた「普通運賃」と、座席数限定の「割引運賃」の2種類があります。
空席予測・客数予測をもとに割引運賃が決まります!
「普通運賃」は正規運賃です。つまり一番高い運賃で、ほぼ空港間の距離に応じて決まっています。
基準になったのは1951年に日本航空が初めて国内線を運航したときの運賃で、羽田-福岡が11,525円、伊丹-福岡が5,520円などでした。
当時は運輸省(現国土交通省)の認可が必要だったこともあり、国鉄(現JR)から客を奪わないよう、寝台料金などを含む鉄道運賃より高く設定されました。
「割引運賃」が、国内線格安航空券です。正規運賃からの割引率は、乗客数の予測などをもとに航空会社がきめ細かく決めます。
多くの利用者が見込めるお盆や金曜日の便などは高めの運賃(普通運賃からの割引が少ない)、利用者が少なそうな便は安めの運賃にします。
それと競合する他社の割引運賃も意識して、最後に割引運賃で販売する座席数を決めます。
例えば、スカイマークが割安な運賃で新規参入した路線は、全日空と日本航空が≪同じ路線・同じ時間帯の便≫を限定で割引運賃で対抗しました。
最近では北陸新幹線開業に合わせ、全日空と日本航空が羽田⇔北陸(小松・富山)を結ぶ路線の割引運賃を下げています。
飛行機は鉄道より座席数が少ないので、空席が出ると採算が大きく悪化します。正規運賃の半額以下など、大幅に安い航空券があるのはそのためです。
利用者の側からみると、国内線格安航空券は「買う時期」と「キャンセル・変更の自由度」という二つの要素で料金が大きく変わります。
航空券を安く買うには ①早く申し込む ②便の変更はできない この2つの条件を選ぶことです。
例えば、≪羽田-札幌便、75日前までに購入、便変更不可≫ この条件だと全日空で航空券は10,500円で買えます。
普通運賃は、37,500円なので20,700円も安くなります。
でも安い反面のデメリットもあります。便の変更はできず取消料金が高く設定されてます。さらに販売できる枚数が限られています。
例えば、上記の75日前で購入した10,500円の航空券を 出発7日前に日程が予定が変わった…この場合は下記のようになります。
1.便変更ができないので 購入した航空券を取消します。この場合の取消料金+払戻手数料=7,045円(3,455円しか返ってきません)
2.次に希望の日程で航空券を新規購入しますが、搭乗日が近いので料金は高く、26,800円になりました。
つまり、東京-札幌を移動する26,800円+7,045円=33,845円を支払うことになります。
<出発日直前・便変更可能>の条件だと航空券代は、正規運賃に近づきます。
安値の国内線格安航空券は事前に予定が立ちやすい人向けで、販売数に制限があり、取消料金のデメリットがついてきます。
一方、出張などビジネス客には、直前で買える&便変更ができる航空券が好まれますが、その分値段は高いです。
※便変更が可能&直前予約で、正規運賃の60%以上の割引率で安く買える国内線航空券は、ありません。
よくある問合せですが “10500円の割引運賃は、満席だが、正規運賃で空席があるので何とかできないか?”
これに関しては、航空会社は機械処理のシステム管理で、販売する料金と座席枠を管理しているので、売切れになると確保はできません。
航空券のWEB予約とホテルのWEB予約の違い
最後にWEB予約でのホテルと航空券の大きな違いを…。
ホテルのWEB予約は、宿泊日直前で空室があると割安になります。
航空券は、全く逆です。搭乗日に近づくほど高くなります。
300人乗りの飛行機で100人しか予約がなくても、直前予約は割高です。
つまりホテルは、空室に対して我慢できないが、航空会社は、空席でも平気なのです。